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就活対策

既卒・第二新卒の就活|卒業後3年以内は新卒枠、指針と離職率の統計で見る実際【28卒】

在学中に就職先が決まらないまま卒業した場合、あるいは入社後に早い段階で辞めた場合、新卒の枠に戻れるのかどうかは大きな不安です。厚生労働省の指針は、卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるようにすることを企業に求めています。この記事では、既卒と第二新卒の扱いを、指針・経団連と大学の合意文書・離職率の統計から整理します。

この記事は青少年雇用機会確保指針に関する厚生労働省のリーフレット、採用と大学教育の未来に関する産学協議会の2024年度報告書、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」、厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)の概況」をもとにしています。労働経済動向調査は2026年10月に、それ以外は2026年9月に内容を確認しました。公開資料に基づく一般的な説明であり、個別の労働相談への回答ではありません。

卒業後3年以内は新卒枠に応募できる

厚生労働省は「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づき、若者の雇用機会の確保と職場定着に関する指針を定めています。学校卒業見込者の採用枠について、指針は次の2点を示しています。

指針が求めていること
既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること
できる限り上限年齢を設けないように努めること

厚生労働省のリーフレットは、事業主に向けて「卒業後3年以内の既卒者は、新卒枠での応募受付を」と呼びかけ、意欲・能力があるにも関わらず在学中に就職先が決まらないまま卒業せざるを得なかった方に対し、新卒採用の門戸を閉ざすことは学生だけではなく会社にとっても大きな損失だと記しています。

ここは正確に押さえておいてください。指針が求めているのは「努めること」であって、企業に法的な義務を課すものではありません。実際に応募できるかどうかは、企業ごとの募集要項の記載で決まります。

実際にどれくらいの企業が受け付けているか

厚生労働省の労働経済動向調査は、毎年8月の調査で新規学卒者の採用枠について尋ねています。最新の令和8(2026)年8月調査によると、令和7年度の新卒枠で正社員を募集した事業所のうち、既卒者が応募可能だったのは73%、応募不可だったのは24%でした。5年前の令和2年8月調査では約7割だったので、水準は大きく変わっていません。新卒枠の4分の3ほどは既卒者にも開かれている、と考えてよさそうです。

応募を受け付けた事業所のうち、実際に既卒者の採用にいたったのは44%でした。応募できる会社は多いものの、既卒者の採用まで進んだ会社は半分に届いていません。なお、この調査でいう既卒者は、学校卒業後すぐにその事業所へ就職する人以外の35歳未満の人で、勤務経験の有無は問いません。一度就職してから辞めた第二新卒の人も含まれます。

産業によって応募のしやすさは違う

同じ調査には産業別の内訳もあります。既卒の就職先として候補になりやすい7産業を抜き出しました。

産業 応募可能だった そのうち採用にいたった 応募不可だった
製造業 60% 34% 37%
情報通信業 78% 41% 20%
金融業、保険業 76% 45% 23%
卸売業、小売業 75% 54% 22%
宿泊業、飲食サービス業 89% 37% 11%
医療、福祉 85% 56% 13%
不動産業、物品賃貸業 64% 31% 36%

製造業と不動産・物品賃貸業は応募不可が3割台後半で、既卒者にとって門が狭い産業です。宿泊・飲食サービス業はほぼ9割が応募を受け付けていますが、採用にいたったのは4割弱にとどまります。医療・福祉と卸売・小売業は、応募できる割合と採用にいたった割合がどちらも高めです。

企業の今後の方針

令和8年8月1日現在の今後の方針も尋ねられています。新卒枠への既卒者の応募を「応募可能としたい」が30%、「年齢によって応募可能としたい」が14%で、「応募不可としたい」は3%にとどまりました。一方で「現在のところ未定」も31%あり、方針を決めかねている事業所が少なくありません。年齢で線を引く会社が一定数あるため、卒業から時間がたつほど応募できる先は絞られていく可能性があります。

この調査の数字は、応募を受け付けた事業所と、その中で既卒者の採用にいたった事業所の割合です。既卒者一人ひとりの内定率や、選考で有利か不利かを示すものではありません。指針が努力義務である以上、応募できない募集も残ります。応募先を探す段階で、募集要項の応募資格の欄を確認する作業は欠かせません。

経団連と大学の合意でも門戸は開いている

経団連と国公私立大学の代表者で構成される採用と大学教育の未来に関する産学協議会は、2024年度報告書で、卒業・修了年度における秋・冬採用と既卒採用(卒後就活)を検討課題として取り上げています。学生・社会に向けたメッセージとして示されているのは次の内容です。

  • 多くの企業は卒業・修了年度における秋・冬採用や既卒採用を実施しており、春夏以外の時期に就職活動を行う学生にも門戸を開いている
  • 既卒者も、新卒者・第二新卒者と同じ「新卒採用」として採用している
  • 採用予定数を充足している場合でも門戸を開いている企業が存在する。何かをやり遂げ、将来にも挑戦意欲のある学生の応募を歓迎する
  • 「在学中に就職活動を終えなければならない」という固定観念や、大学の就職内定率の高さが過度に重視される風潮を見直す必要がある

報告書は、卒業後の就職活動も主要な選択肢と認める社会的意識の醸成が求められる、とも書いています。企業側と大学側が合意した文書に、この記述が入っている点には意味があります。

ただし、規模は限定的だと同じ報告書が認めている

同じ報告書は、現状と課題も率直に整理しています。都合のよい部分だけを取り出さないよう、こちらも見ておく必要があります。

立場 報告書が挙げる現状
企業 秋・冬採用を実施しているが、春・夏採用に比べて実施規模は限定的。秋・冬採用の場合、4月の入社までに配属決定や内定者研修を実施することが困難
大学 在学中の内定獲得を促す傾向がある。就職内定率を重視して大学を評価する構造がある
社会 「大学卒業後、即、就職」を求める風潮がある
学生 無所属であることへの不安がある。既卒就活の進め方が分からない

門戸は開いているが枠は大きくない、というのが実態に近い読み方です。焦る必要はないが、余裕があるわけでもありません。

第二新卒という言葉が指すもの

第二新卒は、法令上の定義がある用語ではありません。一般には、学校を卒業して就職した後、数年以内に転職活動を行う人を指して使われます。産学協議会の報告書では、既卒者も新卒者・第二新卒者と同じ「新卒採用」として採用している、という形で言及されています。

実際に、卒業後3年以内に離職する人はどれくらいいるのか。厚生労働省が令和7年10月24日に公表した「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」に、就職後3年以内の離職率が出ています。

学歴 就職後3年以内の離職率 前年度との差
中学 54.1% 3.6ポイント上昇
高校 37.9% 0.5ポイント低下
短大等 44.5% 0.1ポイント低下
大学 33.8% 1.1ポイント低下

大卒の33.8%の内訳は、1年目12.1%、2年目11.9%、3年目9.9%です。3人に1人が3年以内に辞めている計算になり、しかも1年目の離職が最も多いことが分かります。第二新卒という市場が成り立っているのは、この規模があるためです。

規模と業種で離職率は大きく違う

同じ資料には、事業所規模別のデータもあります。大卒の数字を見ると、規模による差がはっきり出ています。

事業所規模 大卒の3年以内離職率
5人未満 57.5%
5〜29人 52.0%
30〜99人 41.9%
100〜499人 33.9%
500〜999人 31.5%
1,000人以上 27.0%

産業別では、大卒の離職率が高い上位5産業は次のとおりです。

産業 大卒の3年以内離職率
宿泊業、飲食サービス業 55.4%
生活関連サービス業、娯楽業 54.7%
教育、学習支援業 44.2%
医療、福祉 40.8%
小売業 40.4%

この数字は、企業選びの段階でも使えます。同じ職種でも、規模と業種で3年後の景色が違う可能性がある、ということです。ただし離職率の高さは、その企業や業界が悪いことを直ちに意味しません。人の入れ替わりが前提の設計になっている業種もあります。

既卒・第二新卒として動くときの確認事項

確認する項目 見るところ
応募資格に既卒が含まれるか 募集要項の応募資格欄。「卒業後3年以内」「既卒可」の記載があるか
年齢の上限があるか 指針は上限を設けないよう努めることを求めているが、実際の記載を確認する
新卒枠か中途枠か 同じ企業でも枠によって選考内容と処遇が異なる場合がある
秋・冬採用の有無 春夏で締め切る企業と、通年で受け付ける企業がある
職種別採用かどうか 職種を選んで応募する形の企業が増えている

最後の点については、政府が公表した20社の事例をもとにジョブ型人事と採用の複線化|政府指針の20社に見る職種別採用と初期配属の確約【28卒】で整理しています。経験者採用の比率が上がっている企業では、就業経験があること自体が不利にならない場合もあります。

相談先としては、大学のキャリアセンターが卒業後も一定期間利用できることがあります。産学協議会の報告書も、大学に対してキャリアセンターによる既卒者向け支援策の拡充を求めています。公的な窓口としては、新卒応援ハローワークが新規学卒就職者や離職者への支援を行っています。

夏の募集に間に合わなかった場合は、夏のインターンに参加できなかったらどうするか|9月以降に応募できる17社と、3月までの動き方【28卒】もご覧ください。締切が10月以降のプログラムを一覧にしています。

就職活動の進め方に迷っている場合は、就職活動を続けるか迷ったときに確認できること|公的な相談窓口と、制度上の選択肢【28卒】もご覧ください。新卒応援ハローワークでは臨床心理士等への相談もできると案内されています。

既卒・第二新卒向けの就職エージェント

UZUZ|既卒・第二新卒・フリーターに特化したエージェント

株式会社UZUZが運営する、既卒・第二新卒・フリーターを対象にしたキャリア支援サービスです。運営会社の公式サイトによると、就業サポート人数は63,110名(2024年度5月までの実績)、取引企業数は3,213社(2022年度までの実績)です(2026年10月確認)。集計時点が項目ごとに異なる点に注意してください。

担当のキャリアアドバイザーは既卒・第二新卒・フリーターを経験した人が務めており、自己分析からキャリアシート作成、応募先ごとの面接対策までオーダーメイド型でサポートするとされています。公式サイトが示す入社後3か月の定着率は96%です。

面談はオンライン(Google Meet)で実施され、地方在住でも電話やオンラインで相談できます。応募資格に既卒が含まれるかを個別に確認する作業と並行して、エージェント経由で対象企業を紹介してもらう使い方もあります。

Googleマップには568件のクチコミが寄せられており、評価は5点満点中4.6です(UZUZ本社・東京都新宿区、2026年9月17日確認)。「初回面談から内定まで約1ヶ月」「休日や勤務後の遅い時間でも面接日程を調整してくれた」といった好意的な声が多い一方、「担当者との相性が合わず、期待していたサポートを受けられなかった」という声も投稿されており、担当者によって満足度に差が出ることがうかがえます。

第二新卒・既卒・フリーター・ニートの就職サポート【UZUZ】

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在籍者の書き込みから企業を調べるサービス

既卒・第二新卒として応募先を選ぶときは、離職率の統計だけでなく、実際にその会社で働いた人がどう感じていたかも気になります。そうした投稿を集めたサービスも存在します。

転職会議|23万社・約550万件の口コミが集まる転職口コミサイト

株式会社リブセンスが2010年から運営している転職口コミサイトです。同社の発表(2026年2月10日)によると、全国23万社・約550万件の転職口コミ情報を掲載し、累計会員数(退会者を除く)は1,000万人を超えています。企業の口コミ・評判と求人情報を合わせて見られる構成です。

ここで前提をはっきりさせておきます。投稿されているのは在籍者・元在籍者が自分の経験を書いたもので、企業の公式発表ではありません。内定ナビは記事の根拠として口コミ集計を使わない方針をとっており、この記事に書いた数字もすべて厚生労働省や産学協議会の公表資料に基づいています。口コミは、統計では見えない働き方の実感を知る補助として使うものだと考えてください。

見るときの注意点 理由
投稿の時期を確認する 制度や体制は数年で変わる。古い投稿が現在の状況とは限らない
部署・職種・年次を確認する 同じ会社でも配属先で働き方が大きく変わる
良い投稿と悪い投稿の両方を読む 退職した人ほど書き込む動機が強く、評価が偏ることがある
数字は公式発表と突き合わせる 離職率や残業時間は公的統計や企業の公表資料で確認できる場合がある

この記事で扱った離職率のデータ(大卒の3年以内離職率、事業所規模による差)は厚生労働省の公表値です。口コミを読む前にこの傾向を知っておくと、個別の投稿を「その会社固有の問題」と読み違えずに済みます。

転職会議で企業の口コミを見る

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卒業前の秋の時点でまだ就職先が決まっていない場合の動き方は、27卒で10月にまだ内定がない人へで、国の内定率調査の数字とあわせて整理しています。

よくある質問

卒業後3年以内なら、必ず新卒枠で応募できますか

できるとは限りません。指針が求めているのは「応募できるように努めること」であり、法的な義務ではありません。厚生労働省の労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)でも、令和7年度の新卒枠で募集した事業所のうち既卒者が応募可能だったのは73%で、24%は応募不可でした。募集要項の応募資格を個別に確認してください。

既卒だと選考で不利になりますか

産学協議会の報告書は、既卒者も新卒者・第二新卒者と同じ「新卒採用」として採用していると記載しています。また、既卒者については、学生時代に力を入れて取り組んだことや卒後就活を選んだ理由を自分の言葉で主体的に説明することが求められる、という趣旨の記述もあります。理由を説明できるかどうかが実務上の分かれ目になります。

第二新卒に法律上の定義はありますか

ありません。一般に、卒業して就職した後、数年以内に転職活動を行う人を指す言葉として使われています。企業によって想定する範囲が異なるため、募集要項の記載を確認する必要があります。

3年以内に3人に1人が辞めるなら、就職先選びは意味がないのですか

離職率は事業所規模と産業で大きく変わります。大卒では1,000人以上の事業所が27.0%、5人未満が57.5%と、2倍以上の開きがあります。選び方によって結果が変わる余地はあります。

秋・冬採用はいつ探せばいいですか

企業ごとに時期が異なります。産学協議会の報告書も、秋・冬採用の実施規模は春・夏採用に比べて限定的だと認めています。企業の採用ページで募集時期を個別に確認する形になります。

卒業してから就職活動を続けるのは不利ですか

報告書は「卒業=即就職」の固定観念を見直すことが必要だとし、卒後就活も主要な選択肢と認める社会的意識の醸成が求められると記しています。一方で、学生には無所属であることへの不安があるという現状認識も同じ資料に書かれています。両方が事実です。

在学中に内定が出ないまま卒業しそうです。何を先にすべきですか

大学のキャリアセンターに、卒業後の支援がどこまで受けられるかを在学中に確認しておくことをおすすめします。あわせて、応募資格に既卒を含めている企業をリスト化しておくと、卒業後の動き出しが早くなります。

この記事は公開資料に基づく一般的な説明で、個別の労働相談への回答ではありません。実際の扱いは企業ごとに異なるため、応募先の採用ページで確認してください。

まとめ

  • 厚生労働省の指針は、既卒者が卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるよう努めることを企業に求めている。ただし努力義務であり、応募可否は募集要項で決まる
  • 労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)では、令和7年度の新卒枠で募集した事業所の73%が既卒者の応募を受け付け、そのうち44%で採用にいたった。応募不可は製造業(37%)で最も高く、宿泊・飲食サービス業(11%)で最も低い
  • 経団連と大学の合意文書は、既卒者も新卒者・第二新卒者と同じ「新卒採用」として採用していると明記している
  • 同じ文書が、秋・冬採用の実施規模は限定的であることも認めている
  • 大卒の3年以内離職率は33.8%。内訳は1年目12.1%、2年目11.9%、3年目9.9%
  • 離職率は事業所規模と産業で大きく異なる。大卒では1,000人以上で27.0%、5人未満で57.5%

参照した情報源

  • 厚生労働省「卒業後3年以内の既卒者は、『新卒枠』での応募受付を!」(青少年雇用機会確保指針に関するリーフレット、2026年9月に内容を確認)。指針の2項目
  • 厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年8月)の概況」(2026年10月に確認)。令和7年度新規学卒者の採用枠における既卒者の応募可否と採用状況、産業別の内訳、今後の方針
  • 採用と大学教育の未来に関する産学協議会「2024年度報告書」(2025年5月9日公表、2026年9月に確認)。秋・冬採用と既卒採用に関する産学のメッセージと現状・課題
  • 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(令和7年10月24日公表、2026年9月に確認)。学歴別・事業所規模別・産業別の3年以内離職率
  • UZUZ CAREER SUPPORT 公式サイト(2026年9月確認)
  • UZUZ(東京都新宿区)Googleマップのクチコミ(2026年9月17日確認、568件、評価4.6)

統計はいずれも公表時点の数値です。離職率は毎年10月頃に更新されます。

就職活動の日程ルールそのものについては就活の日程ルール|広報3月・選考6月・内定10月と実態の乖離を政府資料で確認【28卒】、内定と内々定の法的な違いは内定と内々定は何が違うか|厚労省の説明で見る労働契約と辞退の扱い【28卒】で扱っています。在学中から使える選択肢としては、インターン優遇とは?早期選考・選考免除の仕組みを一次資料で解説【28卒】もあわせてご覧ください。

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