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就活対策

オワハラとオヤカク|政府文書での位置づけと、断り方・相談先【28卒】

内定と引き換えに他社の選考を辞退するよう迫られる行為は、オワハラと呼ばれます。政府の決定文書では「学生の職業選択の自由を妨げる行為」として名指しされ、防止に向けた取組みが関係者に要請されています。この記事では、何がオワハラにあたるのか、断り方と相談先を、公的資料をもとに整理します。

この記事は公開資料に基づく一般的な説明です。個別の事案への法的な助言ではありません。実際に困っている場合は、記事の後半で挙げる公的な相談窓口に相談してください。

政府文書での位置づけ

就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議の決定文書(令和7年12月26日)には、次の記述があります。

内定辞退を抑制するための「オワハラ」や「オヤカク」といった、学生の職業選択の自由を妨げる行為が発生していることに特に留意する必要がある、というものです。オワハラだけでなく「オヤカク」という言葉も同じ文脈で挙げられています。

用語 意味
オワハラ 就活終われハラスメント。内定と引き換えに他社の選考を辞退させるなど、学生の就職活動を終わらせようとする行為
オヤカク 親確。学生本人だけでなく保護者に入社の意思を確認する行為

同文書は、日程ルールの遵守とあわせて、これらの防止に向けた取組みを関係者に対して改めて要請しています。

なぜ起きるのか

決定文書には背景も記載されています。学生が複数の企業から内々定を保持したまま就職活動を続けることで活動が長期化し、企業にとっては内定辞退により安定的な採用活動が困難になることが懸念される、という構造です。

企業が採用予定数を充足できたとする割合は近年減少し、2025年卒では3割台にとどまっています。理由としては「選考応募者が予定より少ない」「内定辞退が予定より多かった」が挙げられています。

企業側にも事情があるという事実は、行為を正当化する理由にはなりません。文書が「職業選択の自由を妨げる行為」と位置づけていることが判断の基準になります。

どんな行為が当てはまるか

決定文書は個別の行為類型を列挙していませんが、報道や大学の注意喚起で共通して挙げられるのは次のような場面です。

場面 考えられる対応
内定を出す条件として、その場で他社の辞退を求められる 即答を避け、持ち帰って検討する意思を伝える
目の前で他社に辞退の電話をかけるよう求められる 応じる義務はない。後日改めて連絡すると伝える
内定承諾書に即時の署名を求められる 提出期限を確認し、内容を持ち帰って確認する
研修や面談が続き、他社の選考に行けない日程を組まれる 参加できない日を具体的に伝える
保護者に入社の意思を確認される(オヤカク) 本人が決めることであると伝える

共通するのは、その場での即答を求められるという形です。判断に時間が必要だと伝えること自体は、失礼な対応ではありません。日程ルール上、正式な内定日は10月1日以降とされています。

断り方の考え方

否定や対立ではなく、事実を伝える形が現実的です。

  1. 感謝を先に伝える。評価してもらったこと自体は事実として受け止める
  2. 即答できない理由を具体的に言う(他社の選考が残っている、家族と相談したい、など)
  3. いつまでに返事をするかを自分から示す。期限を提示すると引き延ばしと受け取られにくい
  4. その場で電話をかけるよう求められた場合は、後日自分で連絡すると伝える

それでも強く迫られる場合は、その場で結論を出す必要はありません。会話の日時と内容を記録に残しておくと、後で相談するときに役立ちます。

2026年10月から、就活中のハラスメントに企業の措置義務がかかる

2026年10月1日から、企業には求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が義務づけられます。根拠は男女雇用機会均等法(昭和47年法律第113号)第13条で、内容は厚生労働省の指針(令和8年厚生労働省告示第52号、2026年2月26日告示)に定められています。

対象となる「求職活動等」には、企業の採用面接への参加、就職説明会への参加、企業の雇用する労働者への訪問(OB・OG訪問)、インターンシップへの参加、教育実習・看護実習等の受講が挙げられています。就職活動のほぼ全ての場面が対象になります。SNS等のオンラインを介したものも含まれます。

オワハラはこの義務の対象なのか

ここは正確に区別しておく必要があります。2026年10月に義務化されるのは「性的な言動」への措置であって、オワハラそのものが直ちに義務の対象になるわけではありません。ただし同じ指針は、パワーハラスメントに類する行為等についても踏み込んだ記載を置いています。

行為 2026年10月以降の位置づけ
求職活動等における性的な言動(セクシュアルハラスメント) 事業主の措置義務。相談窓口の設置・周知、事実確認、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止、プライバシー保護
パワーハラスメントに類する行為、妊娠・出産等に関するハラスメントに類する行為、育児休業等に関するハラスメントに類する行為 指針が「望ましい取組」として記載。労働者の求職者等に対する言動にも必要な注意を払うよう配慮し、相談があれば措置も参考に適切に対応するよう努めることが望ましいとされる
性的指向・ジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動、本人の了解を得ない暴露(アウティング) 同上。必要に応じて適切な対応を行うよう努めることが望ましいと明記
オワハラ・オヤカク この指針には名指しの記載がない。就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議の決定文書の側で「職業選択の自由を妨げる行為」として扱われている

つまり、オワハラは指針の義務規定そのものではなく、決定文書と「望ましい取組」の両方から間接的に抑止される位置にあります。それでも、企業が2026年10月以降に求職者向けの相談窓口を設けて周知することが義務になる意味は小さくありません。相談の入口が、就活生向けに企業側に用意されるからです。

指針が求める「広く相談に対応」

指針は、ハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、該当するか否か微妙な場合であっても広く相談に対応し、適切な対応を行うよう求めています。確信が持てない段階で相談してよい設計になっています。相談者・行為者のプライバシーを保護する措置を講じることも、あわせて義務づけられています。

相談先

決定文書の脚注には、都道府県労働局・ハローワークにおいても学生からの相談を受けつけ、相談者の意向も踏まえつつ事実確認のうえ適切に対処すること、都道府県労働局・ハローワークと大学のキャリアセンター等の窓口が事例の共有等の連携を行うことが明記されています。

相談先 特徴
大学のキャリアセンター 過去の事例を把握している。同じ企業で他の学生も困っている可能性がある
企業の相談窓口 2026年10月1日以降、求職者等に対するセクシュアルハラスメントの相談窓口の設置と周知が事業主の義務になる。パワハラに類する行為の相談にも努めて対応することが望ましいとされている
都道府県労働局 決定文書に相談窓口として明記されている
ハローワーク(新卒応援ハローワーク) 同上。学生・既卒者向けの窓口が各地にある

相談者の意向を踏まえたうえで対処すると書かれているので、相談したことが直ちに企業へ伝わるわけではありません。一人で抱える必要はない仕組みになっています。

学業への影響も問題になっている

文部科学省の大学等を対象としたアンケート調査では、採用面接等と授業・ゼミ・研究活動との時期的な重複に関する学生からの相談が増加傾向にあり、約9割の大学等で学生が就職活動により授業等を欠席している状況がうかがえるとされています。

大学等からは「採用・選考活動が早期化・長期化している現状は、学生の学業・研究活動の時間を奪い、学生の成長を妨げ、ひいては我が国の将来にとっても損失になるのではないか」という懸念が示されています。

選考日程と授業が重なった場合、企業に日程調整を相談すること自体は不当な要求ではありません。

内定・内々定との関係

内定と内々定では法的な扱いが違います。厚生労働省の説明では、内定は労働契約が成立したと認められることが多く、内々定は成立が認められないケースが多いとされています。辞退の可否や取消しの扱いは内定と内々定は何が違うか|厚労省の説明で見る労働契約と辞退の扱い【28卒】にまとめています。

日程ルールと実態の乖離については就活の日程ルール|広報3月・選考6月・内定10月と実態の乖離を政府資料で確認【28卒】で整理しています。

就職活動の進め方に迷っている場合は、就職活動を続けるか迷ったときに確認できること|公的な相談窓口と、制度上の選択肢【28卒】もご覧ください。新卒応援ハローワークでは臨床心理士等への相談もできると案内されています。

よくある質問

オワハラは違法ですか

決定文書は「学生の職業選択の自由を妨げる行為」と位置づけ、防止に向けた取組みを要請しています。個別の行為が法的にどう評価されるかは事案によるため、専門の窓口に相談してください。

その場で他社の辞退を求められたら断れますか

応じる義務はありません。即答を避け、後日改めて連絡すると伝える形が現実的です。

相談すると企業に伝わりますか

決定文書には、相談者の意向も踏まえつつ事実確認のうえ適切に対処すると記載されています。相談内容がそのまま企業に伝わる仕組みではありません。

オヤカクとは何ですか

学生本人だけでなく保護者に入社の意思を確認する行為です。決定文書ではオワハラと並べて挙げられています。

選考日程が授業と重なったらどうすればよいですか

企業に日程調整を相談すること自体は不当な要求ではありません。約9割の大学等で就職活動による欠席が生じている状況が調査で示されています。

2026年10月の法改正でオワハラは違法になりますか

なりません。2026年10月1日に義務化されるのは、求職者等に対する「性的な言動」への措置です(男女雇用機会均等法第13条、令和8年厚生労働省告示第52号)。ただし同じ指針は、パワーハラスメントに類する行為等についても事業主が必要な注意を払うよう配慮し、相談があれば適切に対応するよう努めることが望ましいと記載しています。

企業の相談窓口はいつから使えますか

2026年10月1日以降、求職者等に対するセクシュアルハラスメントの相談窓口を定めて周知することが事業主の義務になります。周知の対象には求職者等も含まれます。

記録は残したほうがよいですか

会話の日時と内容をメモしておくと、後で相談するときに事実関係を説明しやすくなります。

内定承諾書に署名したら他社を受けられませんか

法的に他社の選考を受けることを禁じられるわけではありません。詳しくは内定と内々定の記事にまとめています。

企業側にも事情があるのではないですか

採用充足率の低下という背景は決定文書にも記載されています。ただし文書は、それとは別に学生の職業選択の自由を妨げる行為への留意を求めています。

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選考を有利に進めたい人へ

内定と引き換えに他社の辞退を迫られる場面では、一人で抱えず相談先を持っておくと動きやすくなります。就活エージェントに状況を話し、次の選択肢を一緒に考える使い方もあります、比較記事で選び方を確認できます。

この記事は公開資料にもとづく一般的な説明で、個別の事案への法的な助言ではありません。実際に困っている場合は記事後半の公的な相談窓口に相談してください。

まとめ

  • オワハラとオヤカクは、政府の決定文書で「職業選択の自由を妨げる行為」と位置づけられている
  • 共通するのはその場での即答を求められる形。判断に時間が必要だと伝えてよい
  • 相談先として都道府県労働局とハローワークが明記され、大学と連携する仕組みがある
  • 相談者の意向を踏まえて対処すると記載されており、直ちに企業へ伝わるものではない
  • 約9割の大学等で就職活動による授業の欠席が生じており、日程の相談は不当な要求ではない
  • 2026年10月1日から、求職者等へのセクシュアルハラスメント防止措置が企業の義務になる。オワハラ自体は義務の対象ではないが、パワハラに類する行為への対応も「望ましい取組」として指針に書かれている

参照した情報源

  • 就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」(令和7年12月26日決定、2026年9月確認)
  • 厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」(2026年9月確認)
  • 厚生労働省「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第52号、2026年2月26日告示、2026年10月1日適用)

この記事は公開資料に基づく一般的な説明です。個別の事案については、大学のキャリアセンターまたは都道府県労働局・ハローワークにご相談ください。

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