広告・マスコミ業界は、選考の入口が「選考なしの先着順」から「5日間で内々定直結」まで極端に分かれます。内定ナビが14社の募集要項を確認したところ、同じメディア業界でもテレビ局・新聞社と広告代理店で設計がはっきり違いました。志望先によって準備の重さが変わります。
この記事で扱う企業について
内定ナビが個別に募集要項を確認できた企業だけを対象にしています。募集要項が公開されていない企業や、マイページに登録しないと日程が分からない企業は含んでいません。人気企業や業界大手から、一次情報が取れたものを順に記事化しているため、この業界のすべての企業を網羅したものではありません。掲載順や社数に企業の評価は含んでいません。
14社の募集要項を確認して分かったこと
2026年9月時点で確認した14社を、三省合意(2022年6月改正)の日数要件で分類しました。
| 分類 | 社数 | 該当企業 |
|---|---|---|
| 5日以上のプログラムがある | 6社 | 電通、博報堂、東宝、松竹、ADKホールディングス(Breakthrough Camp夏期。冬期とData Science Campは3日間)、日本経済新聞社(エンジニア・データサイエンティストの短期インターン。記者職体験は2日間) |
| 要件に届かない | 7社 | NHK、テレビ東京、読売新聞社、フジテレビ、ソニーミュージックグループ、毎日新聞社、朝日新聞社(冬の3コースは1〜2日) |
| 段階制 | 1社 | TBS(1日の仕事体験、面接通過者が次段階へ) |
※東宝・松竹は映画会社ですが、興行・コンテンツ事業としてこのカテゴリに含めています。
テレビ局と広告代理店で設計が違う
| 業態 | 日数の傾向 | 選考との関係 |
|---|---|---|
| 広告代理店 | 5日間規模 | 電通は5種類のうち4つが採用選考直結型、博報堂は内々定直結型の早期選考へ、ADKは2系統とも参加者の一部が早期選考へ |
| テレビ局 | 1〜3日 | 記載なしが中心。フジテレビは選考なしの先着順で、低学年(大学1・2年生)も対象 |
| 新聞社 | 1〜2日 | 朝日新聞は冬の3コースが1〜2日(ジャーナリスト1day・ビジネス2days・エンジニア1day)、読売新聞は職種別9プログラムで大半が1日、毎日新聞は記者2日間・他1日、日本経済新聞社は記者職体験4コースがいずれも2日間(エンジニア向けの短期インターンは5日間) |
| 映画・音楽 | 3〜5日 | 東宝・松竹は5日間、ソニーミュージックは実質3日間 |
選考直結を明記しているのは広告代理店2社だけです。テレビ局と新聞社は日数も短く、選考との関係にも触れていません。マスコミ志望で選考につながるルートを確保したいなら、代理店を併願先に入れる形になります。
動画提出を課す企業が多い
この業界の特徴は、エントリーシート以外の提出物です。確認した14社のうち4社が動画の提出を求めていました。
| 企業 | 提出物 |
|---|---|
| 松竹 | エントリーシートと動画 |
| 東宝 | A4一枚の企画書と自己PR動画 |
| テレビ東京 | ES・動画提出のあとWEB面接 |
| TBS | PR動画 |
| 東映 | 動画提出、AI面接、WEBテスト2回(※エンタメカテゴリ) |
動画は撮影機材の質より、話の構成と表情が結果を左右します。1回で終わらせようとせず、時間を測って複数回撮り、聞き手として見返す時間を確保してください。締切から逆算した準備時間が他業界より必要になります。
締切が早く、選考期間が長い
| 企業 | 締切 | 選考の流れ |
|---|---|---|
| テレビ東京 | 7月3日12時 | ES・動画→書類選考(7/11発表)→WEB面接(7/14〜16)→最終合否(7/18) |
| NHK | 10月20日 | 書類選考(11/17発表)→WEB面接(11/25または26)→参加決定(11/30) |
| フジテレビ | 9月11日 | 選考なし・先着順 |
| 読売新聞社 | 職種別に9月13日〜10月21日 | 職種ごとに異なる |
読売新聞社は職種別に11プログラムがあり、申込期限が9月中旬から10月26日まで分散しています。複数職種を検討している場合、9月中旬の集中期にどれを出すかを決めておく必要があります。
交通費・宿泊費の扱いが企業で割れる
この業界は東京開催が中心のため、地方在住の学生にとっては移動費の扱いが参加可否を左右します。14社のうち、待遇を募集要項に明記していたのは次の5社でした。
| 企業 | 交通費・宿泊費の記載 |
|---|---|
| 博報堂 | 一都三県以外からの参加者には交通便を手配、希望者には宿泊先も手配。海外からの参加者には往復6万円までの交通費補助 |
| 東宝 | 「地方にお住まいの学生に関しては、交通費・宿泊費の負担をいたします」と明記 |
| TBS | お仕事体験は報酬なし・交通費/宿泊費の支給なし。緑山塾も通信費・交通費・宿泊費は参加者負担 |
| フジテレビ | 報酬・交通費に関する記載は確認できず(自己負担を前提に検討) |
| 日本経済新聞社 | 記者職体験は無報酬だが、遠方参加者には往復交通費と最大2泊分の宿泊場所を支給 |
残る9社は公開ページの範囲では確認できませんでした。記載がないことは、支給される根拠にも、されない根拠にもなりません。5日間の対面プログラムに遠方から参加する場合は費用が大きく変わるため、応募前に問い合わせて確認するのが確実です。地方在住の場合の選択肢は東京以外で開催されるインターンは?|150社で確認した36社と、交通費が出る18社【28卒】にまとめています。
併願制限を明文化している企業がある
複数のプログラムに申し込めるかどうかは、この業界では企業ごとに扱いが分かれます。募集要項で明記が確認できたのは4社です。
| 企業 | 併願の扱い |
|---|---|
| 電通 | 総合ビジネスキャンプにつながる4つの短期インターン同士は併願不可。そのうち1つと他のインターンは併願可能と明記 |
| 毎日新聞社 | 「ビジネス職と一般記者職」「Webエンジニアと総合ITエンジニア」の併願は不可と明記 |
| TBS | 総合職4部門(制作・報道・ビジネス/テクノロジー/アナウンサー/デザイン)は複数部門への併願が可能 |
| ADKホールディングス | Breakthrough Camp(ビジネス・クリエイティブ系)とData Science Camp(データ分析系)は併願不可と明記 |
応募の前に、どの職種・どのコースで勝負するかを決めておく必要がある業界です。特に毎日新聞社は、27卒向けの定期採用で記者職とビジネス職を同時に受けられないとしていたため、職種選びがそのまま出願戦略になります。他業界の併願条件と比べたい場合はインターンの併願はどこまでできるか|150社で確認した制限あり13社・併願可8社と、記載がない場合の考え方【28卒】で確認できます。
絞り込みの規模が分かる唯一の例
インターンの倍率は公表されないのが普通ですが、博報堂は選考の各段階の人数を公式サイトに記載しています。書類選考の通過者が約1,200人、そこから一次面談を経て約500人、二次面談を経て最終的な募集人数は120名(予定)という構成です。
これは「倍率◯倍」という推計ではなく、企業自身が示した各段階の人数です。5日間・内々定直結型のプログラムにこれだけの段階があることが分かれば、準備の量も見積もれます。他社はこの種の数字を公表していないため、他社の選考が同じ規模とは限りません。
職種の幅を知っておく
テレビ局や新聞社を志望する学生は、番組制作や取材職に目が向きがちです。しかし実際の募集職種はもっと広く、確認した範囲では次のような構成でした。
- 読売新聞社:記者、写真記者、技術総合職、DX、経営管理職、ビジネス職(広告)
- 毎日新聞社:一般記者、写真・映像記者、ビジネス、Webエンジニア、総合ITエンジニアの職種別選考。ビジネス職と一般記者職、Webエンジニアと総合ITエンジニアは併願不可(27卒向けの定期採用の記載)
- フジテレビ:編集・制作、フォトグラファー/カメラスタッフ、撮影機材スタッフ(照明・音響)
- テレビ東京:総合職に加え、部門別でバラエティ・報道・コンテンツビジネス
コンテンツビジネスは、番組やアニメの権利を扱い、配信や海外展開、商品化で収益を生む領域です。制作以外の職種を知っているかどうかで、志望動機の具体性が変わります。
選考の特徴
マスコミの本選考では、エントリーシートに加えて作文や時事問題を含む筆記が課される例が知られています。準備の期間が他業界より長くなります。適性検査の形式差はWebテスト・適性検査対策の進め方、書類の書き方はES対策・体験談サイト比較で確認できます。
よくある質問
マスコミのインターンは選考に直結しますか
確認した14社のうち、選考直結・早期選考への案内を明記していたのは電通・博報堂・ADKホールディングスの3社です。テレビ局と新聞社は記載がありません。
動画の提出は必須ですか
企業によります。松竹、東宝、テレビ東京、TBSでは動画または企画書の提出が課されていました。
選考なしで参加できる企業はありますか
フジテレビの1日プログラムが選考なしの先着順です。大学1・2年生も対象に含まれています。
テレビ局と広告代理店はどちらが有利ですか
有利不利ではなく設計が違います。代理店は5日間規模で選考直結を明記し、テレビ局は1〜3日で選考との関係に触れていません。
制作職以外の募集もありますか
あります。読売新聞社は記者以外に技術総合職・DX・経営管理職・広告営業を、フジテレビは撮影機材スタッフを体験職種に含めています。
交通費や宿泊費は出ますか
企業によります。博報堂は一都三県以外からの参加者に交通便と宿泊先を手配、東宝は地方在住者の交通費・宿泊費を負担と明記しています。反対にTBSのお仕事体験は交通費・宿泊費の支給なしと明記されています。残る8社は記載が確認できませんでした。
複数のプログラムに応募できますか
電通は4つの短期インターン同士が併願不可、毎日新聞社は27卒向けの定期採用で記者職とビジネス職などの組み合わせを併願不可、ADKホールディングスはBreakthrough CampとData Science Campの併願が不可と明記しています。TBSは総合職4部門への併願が可能です。他社は記載が確認できませんでした。
いつから準備すればよいですか
テレビ東京は7月3日締切で7月中に選考が完結します。動画の準備時間も要るため、6月には内容を固めておく必要があります。
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選考を有利に進めたい人へ
マスコミ志望は、電通・博報堂など広告代理店が5日間規模、テレビ局や新聞社は1〜3日が中心と設計が分かれます。就活エージェントや逆求人・スカウトサービスで代理店以外の業界も併せて見ておく選び方もあります。
同じメディア業界でもテレビ局・新聞社と広告代理店で選考の設計がはっきり違います。志望先によって準備の重さが変わることを踏まえて計画を立ててください。
まとめ
- 確認した14社のうち5日以上のプログラムを持つのは6社(日本経済新聞社はエンジニア向けのみ5日間)
- 選考直結・早期選考への案内を明記しているのは広告代理店3社(電通・博報堂・ADK)。日本経済新聞社を含む新聞社4社はいずれも記載なし
- 動画や企画書の提出を課す企業が多く、準備時間が他業界より必要
- 読売新聞社は職種別11プログラムで申込期限が10月上旬に集中する
- 制作職以外に技術・DX・経営管理・広告営業といった職種がある
- 交通費・宿泊費を明記しているのは5社のみ。博報堂・東宝・日本経済新聞社は地方在住者に支給、TBSは支給なしと明記
- 電通・毎日新聞社・ADKは併願不可の組み合わせを明文化しており、応募前の職種選びが出願戦略になる
- 博報堂は書類通過約1,200人→一次面談後約500人→募集120名予定と、各段階の人数を公表している
他の業界の記事
内定ナビでは、募集要項を確認できた企業を業界ごとにまとめています。併願先を探すときや、業界による選考設計の違いを見るときにご覧ください。
| 業界 | 記事で扱っている要点 |
|---|---|
| メーカー業界 | 22社の募集要項に見る日数と選考の傾向 |
| IT・通信業界 | 20社の募集要項に見る選考直結型と配属確約 |
| 金融業界 | 20社の募集要項で分かった「5days」と実日数のずれ |
| コンサル業界 | 9社の募集要項に見る「要件未満でも採用直結型」の構造 |
| 総合商社業界 | 8社の選考設計に見る「応募は一度きり」の制約 |
| シンクタンク業界 | 5社中4社が5日以上、それでも優遇は明記されない |
| 出版業界 | 6社に見る総合出版と専門メディアの設計の違い |
| エンタメ業界 | 8社の募集要項に見る日数の開きと職種で分かれる入口 |
| サービス業界 | 12社の募集要項に見る段階制と応募資格の書き方の差 |
| 小売業界 | 11社の募集要項に見る日数の二極化と締切 |
| 航空業界 | 6社の募集要項で分かった技術系中心の構成と開催地 |
| インフラ業界 | 4社に見る職種区分の細かさと秋冬に開く応募機会 |
| 不動産・建設業界 | 7社に見る文系向けプログラムと参加者の決め方3通り |
参照した情報源
- 本文中に挙げた各社の募集要項(マイナビ2028および各社採用サイト、2026年9月確認)。個別の内容は各企業の記事に記載しています
- 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(2022年6月改正)
募集内容は年度ごとに変わります。応募の前に必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。