就活で「TOEICは何点あればいいのか」と聞かれても、何点なら通るという絶対的な基準を示した公式情報はありません。手がかりになるのは、TOEICを運営するIIBCが公表している平均点と、各社の募集要項です。2025年度の公開テストでは大学生の平均が601点、大学3年生は602点でした。当サイトで募集ページを確認した企業を並べると、英語の扱いは「スコア要件を明記」「英語を使うことが前提」「選考途中に英語の試験」「英語力は条件にしない・英語対応コースあり」の4パターンに分かれます。年内にスコアを手にしたい人は、12月6日の回の申込締切が10月26日(月)15:00に迫っています。
この記事の根拠は次の3つです。IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026」の公式PDF(2025年度=2025年4月〜2026年3月の実績)、IIBC公式サイトのTOEIC L&Rテスト詳細と公開テスト日程のページ(いずれも2026年10月16日確認)、当サイトが各社の公式の募集ページ等を確認して書いた企業別の記事です。企業の英語の扱いは各記事の確認日時点の内容です。
公式の平均点で自分の位置を確かめる
まず全体像です。2025年度のTOEIC L&R公開テストは755,473人が受験し、平均はTotal 616点(Listening 337点、Reading 279点)でした。社会人の平均は649点、学生は592点です。
| 区分 | 受験者数 | 平均点 |
|---|---|---|
| 公開テスト全体 | 755,473人 | 616点 |
| 社会人 | 308,493人 | 649点 |
| 学生 | 434,399人 | 592点 |
| 大学 | 331,403人 | 601点 |
| 大学院 | 30,504人 | 642点 |
| 大学1年 | 33,391人 | 557点 |
| 大学2年 | 53,437人 | 589点 |
| 大学3年 | 129,998人 | 602点 |
| 大学4年 | 104,022人 | 614点 |
学年が上がるほど平均も上がり、受験者が最も多いのは3年生です。
スコアの分布も公表されています。学生434,399人のうち、595点以上の区分に入った人は約216,600人で約半数(49.9%)でした。745点以上になると約82,800人で、学生全体の約19%です。600点前後は学生のちょうど真ん中、700点台半ばを超えると上位2割ほどという位置関係になります。ただしこれは受験者の中での位置で、企業がその点数をどう評価するかとは別の話です。
内定者の平均639点をどう読むか
同じ資料には、企業・団体が実施するIPテストの社歴別平均も載っています。内定者(18,502人)は639点(L342/R297)、新入社員(62,895人)は540点(L297/R243)でした。
ただしIPテストは企業や団体が自社の目的で実施するテストで、公開テストとは受験者の層が違います。どの企業の内定者が受けたのかも、この数字からは分かりません。就活の合格ラインを示す数字としては使えない点に注意してください。
なおIIBCの大学生向けページには「企業の採用選考でも利用されている」「インターンシップの選考にも活用できます」と書かれています(出典として「英語活用実態調査2022」を表記)。ただし何点で何が変わるかまでは書かれていません。
各社の募集要項で見る英語の扱い4パターン
当サイトでは、インターンや採用の募集内容を各社の公式ページ等で確認して記事にしています。その中から英語に触れている企業を拾い、扱い方で分けたのが次の表です。
| パターン | 企業 | 確認できた内容 |
|---|---|---|
| 1 応募資格にスコア要件を明記 | マネーフォワード | エンジニア職サマーインターンの応募資格に「TOEIC600点相当以上の英語力」。出所はpaizaの掲載(2026年10月5日確認)で、公式の募集ページは404。28卒分は募集終了(追加募集の締切は2026年8月9日) |
| 2 英語を使うことが前提 | ファーストリテイリング | GLOBAL MANAGEMENT PROGRAMの応募条件が「英語必須のプログラム」。スコアの数値は書かれていない。2026年の回は7月に終了し、10月5日時点で28卒向けの受付は公式で確認できない |
| 2 英語を使うことが前提 | 楽天グループ | 社内公用語が英語。選考段階で求められる水準は募集要項で確認する |
| 3 選考の途中に英語の試験 | 兼松 | 公式のよくある質問に「選考過程で英語の試験は実施します」。冬の5日間は10月12日で締切。それ以外の詳細は公開ページの範囲で確認できなかった |
| 4 英語力は条件にしない・英語対応コースあり | PwC Japan | 応募資格に語学要件の記載は確認できなかった。新入社員研修に英語プログラム(英語学校費用補助、社内英語研修) |
| 4 英語力は条件にしない・英語対応コースあり | マッキンゼー | レジュメは英語でも日本語でも提出可。応募資格に挙がっているのは日本語での業務遂行能力 |
| 4 英語力は条件にしない・英語対応コースあり | JTB | 1Day仕事体験に英語対応コースがある |
並べてみると、スコアの数字を応募資格に書いている募集は、当サイトで確認した範囲では少数でした。英語を扱う企業の多くは「英語が使えること」を前提に置くか、選考の途中で自社の試験を課して確かめています。
反対に、PwC Japanやマッキンゼーのように英語力を応募の条件にしていない企業もあります。PwC Japanは入社後の研修で英語を学べる仕組みを用意しており、入ってから伸ばす前提の設計と読めます。
スコアを持っていると選考で有利になるのかどうかは、各社の公式に書かれていない限り判断できません。ここは推測を書かずにおきます。
受験日程と費用
TOEIC L&Rはリスニング約45分100問とリーディング75分100問で、合計約2時間・200問のマークシート方式です。受験料は紙の公式認定証の発行を希望する場合が7,810円、希望しない場合が7,700円(いずれも税込)で、受験者全員にデジタル公式認定証が発行されます。一度納めた受験料は返金されません。スコアは試験日から17日後にTOEIC申込サイトで表示されます。
| 実施日 | 申込締切 | デジタル公式認定証の発行予定 |
|---|---|---|
| 2026年12月6日(日) | 10月26日(月)15:00 | 12月23日(水) |
| 2026年12月19日(土) | 11月11日(水)15:00 | 2027年1月8日(金) |
| 2027年1月10日(日) | 11月26日(木)15:00 | 1月28日(木) |
| 2027年1月24日(日) | 12月9日(水)15:00 | 2月11日(木) |
| 2027年2月14日(日) | 2027年1月7日(木)15:00 | 3月4日(木) |
| 2027年3月6日(土) | 1月27日(水)15:00 | 3月26日(金) |
| 2027年3月14日(日) | 2月3日(水)15:00 | 4月1日(木) |
2026年11月15日の回はすでに申込が終わっています。受験地は試験日ごとに異なるので、申し込む前に自分の地域で実施されるかを確かめておきましょう。
12月6日に受けると認定証は12月23日に出ます。年内にエントリーシートなどの提出書類へスコアを書きたいなら、12月6日か12月19日の回が現実的です。12月6日の回の申込締切は10月26日で、今日(10月16日)からあと10日です。
勉強方法の選び方とスタディサプリENGLISH(PR)
点数を上げる方法は、市販の問題集で独学するか、アプリや講座を使うかに大きく分かれます。選ぶときの軸は3つです。本番まで何週間あるか、いくらまでなら払えるか、そして誰にも管理されずに毎日続けられるか。
有料サービスの一つに、スタディサプリENGLISHの「TOEIC L&R TEST対策コース」があります。公式サイトのWebページから申し込む場合の料金(税込)は次のとおりです。
- ベーシックプラン:月額3,278円
- 6ヶ月パック:月あたり3,058円(一括18,348円)
- 12ヶ月パック:月あたり2,728円(一括32,736円)
入会金は0円で、初回は1週間無料で試せます(無料期間は初回のみ)。自動更新のため、解約しない限り課金は続きます。無料期間中に解約すれば決済は発生しません。App Storeから申し込むと金額が異なります。
※本項には広告リンクを含みます
向いているのは、何から手を付ければいいか決めきれず、教材選びに時間をかけたくない人です。スマホで細切れの時間に進めたい人にも合います。申込締切の迫る12月6日の回に向けて始める場合も、まず無料期間に自分のペースで続くかを試せる点も判断材料になります。
向いていないのは、すでに使い慣れた問題集があり、計画を立てて自走できている人です。毎月の課金を続ける余裕がない人や、解約の管理が面倒に感じる人も、市販の問題集で始めたほうが無理がありません。どの方法もスコアの伸びは約束されないので、続けやすさで選ぶのが現実的です。
英語と並行して進めたい準備
TOEICは選考のごく一部です。英語を扱う企業でも、多くはWebテストや面接を経て合否が決まります。スコア対策に時間を寄せすぎると、ほかの準備が手薄になりかねません。
インターン参加が本選考にどうつながるかはインターン優遇の仕組みで、業界ごとの募集の動きはIT・通信業界の就活で整理しています。応募先選びは企業別のまとめや就活エージェントの比較も参考になります。
スコアの点数だけで合否が決まると公表している企業は、当サイトで確認した範囲にはありません。応募したい企業の募集要項で、英語がスコア要件・前提・選考途中の試験・条件外のどれに当たるかを先に確かめてください。
よくある質問
就活では何点あれば有利になりますか
何点で有利になるかを示した公式情報はありません。当サイトで確認した企業でも、スコアと合否の関係を公表している例はありませんでした。位置の目安としては、2025年度の大学生の平均が601点、学生のうち595点以上は約半数、745点以上は約19%です。
スコアを応募資格に書いている企業はありますか
当サイトで確認した範囲では、マネーフォワードのエンジニア職サマーインターンが「TOEIC600点相当以上の英語力」を応募資格に含めていました(paizaの掲載で確認、28卒分は募集終了)。数値を明記する募集は少数でした。
内定者の平均639点は目標にしてよいですか
この数字はIPテストの社歴別平均で、企業・団体が自社の目的で実施したテストの結果です。公開テストとは受験者の層が違い、就活の合格点を示す数字ではありません。
スコアはいつ分かりますか
試験日から17日後にTOEIC申込サイトで表示されます。12月6日の回ならデジタル公式認定証の発行予定は12月23日です。
英語が苦手でも応募できる企業はありますか
PwC Japanは応募資格に語学要件の記載が確認できず、マッキンゼーは応募資格に日本語での業務遂行能力を挙げています。JTBの1Day仕事体験には英語対応のコースも用意されています。
選考で英語の試験がある企業ではTOEICは不要ですか
兼松は選考過程で英語の試験を実施すると公式に書いていますが、TOEICスコアの扱いは公開ページの範囲では確認できませんでした。必要かどうかは各社の募集要項で確かめてください。
まとめ
- 就活のTOEICで「何点なら通る」と示した公式情報はない
- 2025年度の公開テスト平均は616点、学生592点、大学生601点、大学3年生602点
- 学生のうち595点以上は約半数(49.9%)、745点以上は約19%
- 内定者の平均639点はIPテストの数字で、就活の合格点としては使えない
- 各社の英語の扱いはスコア要件明記・英語前提・選考途中の試験・条件外の4パターンで、数値を明記する募集は少数
- 年内にスコアを得るなら12月6日か12月19日の回。12月6日の申込締切は10月26日(月)15:00
- 受験料は7,810円または7,700円(税込)、スコアは試験日の17日後に表示
参照した情報源
- IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026」公式PDF(iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/program-data-analysis-2026.pdf、2025年度実績、2026年10月16日確認)
- IIBC公式 TOEIC Listening & Reading Test テスト詳細(iibc-global.org/toeic/test/lr.html、2026年10月16日確認)
- IIBC公式 TOEIC L&R 公開テスト日程(iibc-global.org/toeic/test/lr/guide01/schedule.html、2026年10月16日確認)
- IIBC公式 大学生の皆さまへ(「英語活用実態調査2022」の記載、2026年10月16日確認)
- スタディサプリENGLISH TOEIC L&R TEST対策コース 公式サイト(eigosapuri.jp/toeic/、2026年10月16日確認)
- 当サイトの企業別記事:マネーフォワード(paizaの掲載を2026年10月5日確認)、ファーストリテイリング(2026年10月5日確認)、楽天グループ、兼松、PwC Japan、マッキンゼー、JTB(確認日は各記事に記載)