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就活対策

学歴フィルターは実在するか|150社の募集要項を確認して分かった、学校種別による応募資格の差【28卒】

学歴フィルターという言葉は就活の場でよく聞きます。内定ナビが募集要項を確認した150社のうち、応募資格に大学名を挙げていた企業は1社もありませんでした。一方で、学校の種別による応募資格の差ははっきりと存在します。この記事では、募集要項から確認できることと、確認できないことを分けて整理します。

この記事は各社の募集要項と、厚生労働省が公表している「公正な採用選考の基本」をもとにしています(いずれも2026年9月に確認)。公開資料に基づく一般的な説明であり、個別の事案についての法的な評価ではありません。

募集要項に大学名の記載はなかった

150社の応募資格欄を確認しましたが、特定の大学名や大学群を条件として挙げている企業はありませんでした。ただし、これは選考の過程で学歴が見られていないことの証明にはなりません。募集要項に書かれていないことは、行われていないことを意味しないためです。

当サイトが確認できるのは、公表されている募集要項の記載だけです。選考の内部で何が行われているかは、公表資料からは分かりません。この記事では、確認できた事実だけを示します。

確認できるのは学校種別による差

応募資格の書き方は、企業によってはっきり分かれます。

4年制大学・大学院に限定する企業

企業 応募資格の記載
日経BP 4年制大学、大学院(博士課程、修士課程)の2028年卒以上
マッキンゼー 日本の四年制大学・大学院を卒業予定、学士課程・修士課程在籍中
SCSK 4年制大学または大学院に在学中(学部・学科・文理不問)
東映 2027年4月〜2028年3月卒業見込みの四年制大学生・大学院修了見込み者
高島屋 4年制大学・専門学校(卒業時に高度専門士認定される課程)、大学院
JAL 4年制大学・大学院・高専専攻科。自社養成パイロットは短大を対象外と明記
A.T.カーニー 国内・海外の大学/大学院(修士・博士)在籍者
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 四年制大学または大学院を卒業する見込みの方(全学部・全学科対象)
東宝 2027年4月〜2028年3月卒業・修了見込み(学部・専攻不問)。短大・専門学校卒業者は応募不可と明記

短大・専門学校を含む企業

企業 応募資格の記載
スクウェア・エニックス 高等専門学校、専門学校、短大、4年制大学または大学院
吉本興業 国内外の大学・大学院・短大・専門学校の学生(学部・学科不問)
ソニーミュージックグループ 大学・大学院・短大・専門学校(2年制以上)を卒業見込みの人
イオンリテール 大学院生・大学生・短大生・専門生(全学年・全学部・全学科)
パーソルキャリア 全学年の大学・大学院・専門学校・高等専門学校・短期大学生
JR東日本 四年制大学学部生、大学院生、高等専門学校生および専攻科在籍者、短期大学生、専門学校生。学部・学科・専攻は問わない
大和ハウス工業 大学生および大学院生、専門学生、高等専門学生。全学部学科対象

高等専門学校を明記する企業

企業 応募資格の記載
東芝 国内の大学・大学院に在籍する学部・修士・博士、国内高専の本科生・専攻科生
日本トランスオーシャン航空 4年制大学、大学院、高等専門学校専攻科に在籍中
ソフトバンク 大学院・大学・高等専門学校の在学生および卒業生
ソニーグループ 大学生、大学院生、高専専攻科生
NEC 4年制大学・大学院(修士・博士)・高等専門学校の卒業(修了)見込み、学部学科不問、既卒可
セコム 開発職コースは理工系学生(学部・修士・博士・高専・高専専攻科)。他コースは学部学科不問
中部電力 技術系は高専専攻科生を含む

大学院に限定する企業

企業 応募資格の記載
PKSHA Technology 修士・博士修了予定者

短大生・専門学校生にとっては、この差が実際の応募機会を左右します。大学名より先に、学校の種別で対象かどうかが決まる企業があるということです。応募資格欄は必ず確認してください。

学部・学科を問わないと明記する企業

逆に、専攻による制限をかけないことを明記する企業も多くあります。

企業 記載
セブン-イレブン・ジャパン 学年・学部・学科不問
CTC 学部学科不問
TIS 文理不問、全学年・全学部・全学科
日鉄ソリューションズ 学部・学科・経験不問(プログラミング実施なし)
みずほ信託銀行 学年学部学科不問
ソラシドエア 2028年卒(文理不問)
大和総研 学年制限なし
みずほフィナンシャルグループ 学年・学部・学科不問
日本政策金融公庫 学部・学科・学年不問
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 大学または大学院に在籍し、当該分野に興味のある方(学年・学部の指定なし)
日本経済新聞社 記者職体験は学年・学部・学科は問わない
GMOインターネットグループ 1カ月就業型は学年・学部不問、1カ月ロボティクスは全学年対象
東北電力 トレーディング業務と技術コース1Dayは学部・学科不問

IT・通信業界では、文理不問・学部学科不問を明記する企業が目立ちます。理系でなければ応募できないという思い込みは、募集要項を読むと外れることがあります。

既卒を応募資格に含めるかどうかも分かれる

学校種別と同じく、既卒者を応募資格に含めるかどうかも企業によって書き方が違います。明記が確認できたのは次の企業です。

企業 記載
NEC 学部学科不問、既卒可
兼松 2028年4月1日までに学士号・修士号・博士号を取得可能な方(※既卒も応募可能)
ソフトバンク 大学院・大学・高等専門学校の在学生および卒業生

多くの企業は「2028年3月卒業見込み」のように在学中であることを前提に書いており、既卒可を明記する例は多くありません。ここでも、書かれていないことは可否のどちらの根拠にもなりません。卒業後に応募する場合の制度上の扱いは既卒・第二新卒の就活にまとめています。厚生労働省の指針は、卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるよう企業に努力を求めていますが、これは努力義務であり、実際の応募可否は各社の募集要項で決まります。

厚生労働省の公正な採用選考の考え方

厚生労働省は、採用選考の基本的な考え方として次の2点を挙げています。

基本的な考え方
「人を人として見る」人間尊重の精神、すなわち、応募者の基本的人権を尊重すること
応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと

そのうえで、公正な採用選考の基本として次の2点が示されています。

公正な採用選考の基本
応募者に広く門戸を開くこと
本人のもつ適性・能力に基づいた採用基準とすること

採用基準にすべきでない事項として挙げられているのは、次の分類です。

分類 例
本人に責任のない事項 本籍地、家族の職業など
本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること) 宗教、支持政党など

ここは正確に読む必要があります。厚生労働省が例として挙げているのは、本人に責任のない事項と本来自由であるべき事項です。応募者本人の学歴や出身校は、公式ページの具体例には書かれていません。ただし公式ページの一覧には「これらに限られるわけではありません」との注記があるため、載っていないことが問題ないことを意味するわけではありません。一方で「応募者に広く門戸を開くこと」「適性・能力に基づいた採用基準とすること」が基本として示されています。この記事は法的な評価を行うものではないため、公表されている記載をそのまま示すにとどめます。

「就職差別につながるおそれがある14事項」の中身

厚生労働省の公正採用選考特設サイトは、エントリーシートや面接などで把握することが就職差別につながるおそれがある事項を、14事項として示しています(2026年10月8日に原ページで確認)。

区分 公式ページに書かれている事項
本人に責任のない事項の把握 本籍・出生地/住宅状況(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)/家族に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)/生活環境・家庭環境など
本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握 宗教/人生観・生活信条/思想/購読新聞・雑誌・愛読書/支持政党/尊敬する人物/労働組合(加入状況や活動歴など)・学生運動などの社会運動
採用選考の方法 身元調査など/合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断/本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用

この中の「学歴」は、家族に関することの一つとして書かれているもので、応募者本人の学歴ではありません。公式ページには「これらに限られるわけではありません」とも書かれています。また、採用基準にするつもりがなくても、応募用紙に書かせたり面接でたずねたりすれば結果として採否に影響し、就職差別につながるおそれがあるという説明があります。

分かることと分からないことを分ける

募集要項から分かること 分からないこと
学校の種別(4年制大学・短大・専門学校・高専・大学院)による応募資格 選考の過程で出身校がどう扱われているか
学部・学科の制限の有無 説明会やセミナーの予約枠の配分
卒業年度による対象の絞り方 書類選考の通過率が学校によって違うかどうか
募集人数や開催回数(公表している企業のみ) 応募者数(公表している企業はほとんどない)

当サイトが扱えるのは左側だけです。右側については、公表された資料がない以上、あるともないとも書けません。推測で書かないことを方針としています。

学歴を気にする前に確認できること

  1. 応募資格欄で、自分の学校種別が対象に含まれているかを確認する
  2. 学部・学科の制限があるかを確認する。文理不問と明記する企業は多い
  3. 選考なしで参加できるプログラムから接点を作る。当サイトで確認した範囲では8社が選考なしの先着順
  4. 募集人数を公表している企業は、規模から現実的な見通しを立てる

選考なしで参加できるプログラムは大学1・2年生が参加できるインターンは?|150社で確認した24社と、学年で分かれる扱い【29卒・30卒】で一覧にしています。日数の短いプログラムは選考なしの先着順とする企業が多く、学校による制限もかかりにくい形式です。

参加後にできること

三省合意では、企業が取得した学生情報を採用選考に使えるのは、汎用的能力活用型で5日間以上、専門活用型で2週間以上の要件を満たす場合に限られます。要件を満たさないプログラムでも、参加した事実は自分でエントリーシートに書けます。

三省合意は、学生が自ら提出した書類に参加事実やフィードバック結果が記載されている場合、他の成績書類と同様に扱ってよいとしています。企業からの案内を待つのではなく、自分から書いて出す道は制度上開かれています。詳しくはインターンが終わった後にすること|約7割が受け取る早期選考の案内と、記録の残し方【28卒】をご覧ください。

就職活動の進め方に迷っている場合は、就職活動を続けるか迷ったときに確認できること|公的な相談窓口と、制度上の選択肢【28卒】もご覧ください。新卒応援ハローワークでは臨床心理士等への相談もできると案内されています。

応募資格とあわせて職場の実態を確かめたい場合は、離職率・残業などの職場情報を調べる方法も参考にしてください。

よくある質問

学歴フィルターは存在しますか

内定ナビが確認した150社の募集要項には、大学名を条件とする記載はありませんでした。選考の過程で出身校がどう扱われているかは、公表資料からは確認できません。この記事では、確認できた事実のみを示しています。

短大生や専門学校生でも応募できますか

企業によります。スクウェア・エニックス、吉本興業、ソニーミュージックグループ、イオンリテール、パーソルキャリアは短大・専門学校を対象に含めています。一方、4年制大学・大学院に限定する企業もあります。応募資格欄を必ず確認してください。

高等専門学校の学生が応募できる企業はありますか

東芝(国内高専の本科生・専攻科生)、日本トランスオーシャン航空(高等専門学校専攻科)、ソフトバンク(高等専門学校)、ソニーグループ(高専専攻科生)が明記しています。

文系でも技術系のプログラムに応募できますか

TIS、CTC、日鉄ソリューションズは学部・学科不問または文理不問と明記しています。ソラシドエアの航空整備士プログラムも文理不問です。募集要項の記載を確認してください。

厚生労働省は学歴による選別を禁止していますか

厚生労働省が例として挙げているのは、本人に責任のない事項(本籍地、家族の職業など)と本来自由であるべき事項(宗教、支持政党など)です。応募者本人の学歴は具体例に書かれていませんが、公式ページには「これらに限られるわけではありません」との注記があり、家族の学歴は把握に配慮すべき事項に入っています。この記事は法的な評価を行うものではありません。

大学名で不利だと感じたらどうすればよいですか

選考の内部については公表資料がないため、当サイトでは判断できません。就職活動に関する相談は、大学のキャリアセンターや、新卒応援ハローワークなどの公的な窓口を利用できます。

募集要項に書かれていないことは信用できますか

書かれていないことは、あるともないとも判断できません。当サイトでは、確認できなかった項目は「記載は確認できませんでした」と書いています。推測で埋めないことを方針としています。

募集要項に大学名の記載がないことは、選考の過程で学歴が見られていないことを意味しません。この記事は募集要項から確認できる範囲の説明にとどまります。

まとめ

  • 募集要項を確認した150社に、大学名を条件とする記載は1社もなかった
  • ただし、それは選考で学歴が見られていないことの証明にはならない
  • 確認できるのは学校種別による応募資格の差。4年制大学・大学院に限定する企業と、短大・専門学校を含む企業に分かれる
  • 高等専門学校を明記する企業、大学院に限定する企業もある
  • 学部・学科不問、文理不問を明記する企業も多い。特にIT・通信で目立つ
  • 厚生労働省が例とするのは、本人に責任のない事項と本来自由であるべき事項。本人の学歴は具体例にないが、一覧は「これらに限られるわけではない」とされ、家族の学歴は配慮すべき事項に入っている

参照した情報源

  • 厚生労働省 公正採用選考特設サイト「公正な採用選考の基本」(kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html)と「採用選考時に配慮すべき事項」(同 consider.html、14事項の一覧。2026年10月8日に原ページで再確認)。採用選考の基本的な考え方、公正な採用選考の基本、就職差別につながるおそれがある事項
  • 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に関する基本的考え方」(令和4年6月13日改正、2026年9月確認)。タイプ3の実施期間要件、学生情報の取扱い
  • 各社の28卒向け募集要項(採用サイトおよびマイナビ2028、2026年9月に内定ナビで確認)

応募資格は変更されることがあります。応募の前に、必ず各社の最新の募集要項をご確認ください。

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